歯周病ってどんな病気?
歯周病は、2段階に別れます。
歯肉炎
第一段階は歯肉炎です。歯肉炎は歯茎に炎症が起きている状態です。歯茎がぶよぶよしていて、出血があれば歯肉炎になっています。歯と歯茎には小さなスペース(歯周ポケット)があり、健康な歯茎の歯周ポケットは3mm以内になります。もし歯茎が腫れて歯肉炎になっている場合は、歯周ポケットが4mmほどになり少し深くなります。この時点で歯周病は始まって来ていますが、まだ修復は可能です。歯茎の腫れが収まれば、また歯周ポケットは3mm以内に戻すことができます。
歯周病
この歯周ポケットが5mm以上になると、歯周病になっている状態です。なぜ歯周ポケットが深くなるかというと、歯茎が腫れているだけではなく、歯の骨(歯槽骨)に損傷がでているからです。歯周ポケットが深くなればなるほど、歯槽骨の損傷が大きく、歯を失うリスクが大きくなります。
歯周病は虫歯よりも怖い病気
歯医者に来られる患者さんは何よりも虫歯があるかどうかを気にされます。歯周病を気にされる方はめったにいません。ところが虫歯は治療をすれば、完治させることができます。でも歯周病は一度始まってしまうと、元の健康な歯には戻せません。なぜかというと失った歯槽骨は二度と戻らないからです。つまり歯周病の進行をすぐに止める必用があるのです。
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日本人の歯周病の罹患率
日本ではは成人の約8割が歯周病にかかっていると言われています。残念ながら、世界的に見ても日本人の歯は汚いというイメージを持たれています。日本では歯医者は歯が痛くなった行く所というイメージがまだまだ残っています。これは保険制度の違いや、文化の違いなども含まれていると思います。
アメリカと日本の歯科保険の違い
まず、アメリカは保険制度が日本ほど良くありません。まず日本のように国民全員が保険を持っていません。健康保険や、歯科保険は高いので、入れない人もたくさんいます。例えば、アメリカで歯の詰め物をする際も、歯科保険に入っていても、1万円以上かかることもあります。日本のように詰め物を安価で済ますなんてことはアメリカでは滅多にないことです。アメリカの歯科保険の良い所は基本的に年に2回のデンタルクリーニング、レントゲンと検診が無料でできるようになっています。なのでアメリカ人は6ヶ月に一度は歯のクリーニングを欠かさずに行き、がんばって歯磨きをして虫歯にならないようにします。
アメリカでは歯科矯正は当たり前
アメリカでは歯の矯正は当たり前に行われています。子供が乳歯が全て生え変わった頃に、矯正を始めます。もちろん大人になっても年齢関係なく、矯正をする人がたくさんいます。これは見た目だけの問題ではなく、噛み合わせも良くなりますし、何より歯のお手入れがとても楽になります。歯ならびが悪い所は、歯ブラシで磨きにくく、歯石がたまりやすくなってしまいます。つまりうまく磨けていないところは、虫歯や、歯周病になるリスクが高くなるのです。
歯周病の治療方法
歯周病の治療方法として一般的にされているのが、SRP(Scaling and Root Planing)でディープクリーニングとも言われています。普通のデンタルクリーニングと違って、歯茎の下の深くなった歯周ポケットを綺麗に掃除します。歯周ポケット内の歯石や細菌は根の表面にも付着しており、これを取り除くことで再発を防ぎます。通常ディープクリーニングをする際は局所麻酔をします。私のクリニックでは口の半分だけを麻酔し、2回に分けてディープクリーニングをします。
もしディープクリーニングをしても歯茎の状態が良くならない場合は、歯茎の手術をする場合もあります。ただこの手術にはコストがかかるので、担当の歯科医とよく相談する必用があります。
まとめ
厚生省では80歳までに20本の歯を保つように推奨されています。歯周病にならないためには、ホームケアと歯医者の定期検診がかかせません。ホームケアについてはこちらに詳しく書いています。
歯周病は痛み等がないので、気づいたときには手遅れということも多々あります。必ず6ヶ月に一度定期検診に行き、歯茎の状態がどうかを歯科衛生士や、歯医者の先生に確認しましょう。
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