患者さんの問診票をチェックすると不安障害やうつを抱えていらっしゃる方が多いです。その場合は特別、歯医者に対しても不安感や恐怖心があるかを聞きます。

私の感覚だと3割くらいの患者さんが歯医者に対して恐怖心を感じていらっしゃいます。
歯医者恐怖症はどうしてなるの?
中には話している際に、歯医者での恐怖体験を思い出し泣き出される方もいます。
多くの患者さんは子供の頃にトラウマになるような経験をしたり、抜歯で痛い思いをしたり、中にはなんで歯医者が嫌いか分からないという方もいます。でも理由はなんであれ、私はその恐怖心がありながらも歯医者に来てくれたことに対して感謝の思いを伝えるようにしています。
歯医者でリラックスしてもらう方法
好きな音楽を聞いてもらう
クリーニング中に患者さんが好きな音楽やYouTube などを聞いてもらってリラックスしてもらうようにしてます。最近はワイヤレスのイヤホンが主流なので、私も邪魔に感じないし、超音波の機械を使う時には、音量を大きめに調整してもらっています。歯医者のBGMを聞くより、自分の好きな音楽を聴いてもらうのが一番のリラックス効果があると思います。
排唾管を患者さんに持ってもらう。


これはアメリカだとサクション(suction)と言います。要は水や唾液を取るものです。これを私は患者さんに持ってもらいます。患者さんは唾液が溜まってくると自分で唾液を取り除けるのと、自分でコントロールできるという安心感によって、歯医者の恐怖心が弱まるようです。
ストレスボール
触るとムニョっとする何とも言えない感触のボールです。これも私の患者さんで使っている人がいます。これ、私も使ったことがありますが、不思議と緊張がほぐれるのです。
とにかく、not too bad (思ったより大丈夫だった)と、また来ようと思ってもらえるように、最新の注意を払ってクリーニングをしています。患者さんのせっかくの勇気を無駄にすることはできません!
歯科恐怖症を乗り越えた患者さんのお話
この前、新患でこられた患者さんは歯医者が怖くて何年もクリーニングをしていませんでした。歯石も多く歯茎が腫れて歯周病が始まっていたのでディープクリーニング、いわゆるSRP(スケーリング&ルートプレーニング)をしました。麻酔が必要な治療でしたが、彼女は無事治療を終えることができました。
ついこの前フォローアップに来られた際に、歯医者がすごく苦手だったんだけど、あなたが丁寧に優しくクリーニングしてくれたから怖い気持ちがなくなったと言って貰いました。恐怖症を克服するってとても難しいことですが、そのお手伝いができたことをとても嬉しく思いました。
もし歯医者が怖いと思っている方は、その思いを恥ずかしがらず歯科衛生士や歯医者の先生に伝えて下さい。こちらでは結構皆正直に言ってくれます。”不安で昨日は全然寝れなかった”とか、”機械の音が苦手”とか。”あー緊張する!”とか。正直に言ってもらった方がこちらとしてもありがたいです。私はできるだけ患者さんの要望に応えながら安心感を与えるようにしています。もし怪訝そうな顔をされたら即歯医者を変えて下さい!思っているより多くの方が同じ悩みを抱えています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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